ONE DAY Episode.06 恭介の嫌なこと

恭介は、自分が出演していたドラマや映画を自分の目の前で見られるのを嫌う。

「おま……な、何見ちゃってんの?」

恭介が帰ってくるまでの間、恭介出演の連続ドラマを見てたら本人が帰ってきた。「ただいまー!」と明るい声で元気に帰ってきたのに、リビングに入るや否や肩にかけていた鞄を床の上に落とし、青ざめていた。

「このドラマ面白いって職場の女の子が言ってて、暇だから見てた」
「おまえいっつも本読んでるじゃんか。なに見てんだ。バカちんが」

恭介はDVDのリモンコンを手に取ると、すぐに停止ボタンを押した。

「何よ。せっかく見てたのに」
「じゃあ、持って帰れよ」
「ええー?今見たいんだけど」

別に今見なくてもいいんだけど、恭介の反応が面白くて言った。

「見なくていいって」

テキパキとDVDプレーヤーからDVDを取り出し、ケースにしまうと私に渡した。

「なんでかなぁ〜?別にいいじゃん。一緒に見たって」
「恥ずかしいから嫌だ」
「変なの」
「じゃあさ、ゆらが子ども相手に絵本や紙芝居読んでるところを俺に見られたらどうだよ」
「嫌だ。恥ずかしすぎる!」
「だろ?それと一緒だよ」
「なるほど……」

納得した私に満足したのか「よしよし」と言った後、恭介は鞄を持ちあげてリビングを出る。
その時、独り言のように言った。

「絵本読んでたゆら可愛かったけどね」

今度は私が青ざめた。