ONE DAY Episode.05 やきもち

新曲のプロモーションビデオが流れる音楽番組を見ていた時、スターダストセブンのプロモーションビデオも流れた。

「このPVちょっとカッコいいんだよね。曲もいつもよりしっとりした感じでいいだろ?」

ソファに座って本を読んでいた私の後ろでストレッチをしていた恭介は言った。

「そだね。なんかいつもより大人な雰囲気だね」

いつもはアイドルらしい派手な衣装を着ているけど、今回は全員同じ色のスーツを着て、珍しくスタンドマイクで歌っていた。

「これさ、日向くん、めちゃくちゃスーツ似合ってなくない?やっぱり彼、落ち着いてるし、こういう衣装の方が似合うね」
「普通じゃん?」

恭介はストレッチをやめてソファに座っている私の横に座った。

「日向くん、絶対この曲でファン増えるよ」
「……」
「最近益々カッコ良くなったし、恋でもしてるのかな?恭介そういう話したりしないの?」

ふと恭介の方を向いたら、あからさまに不機嫌全開な表情を浮かべていた。
恭介の顔を見て、しまった……と気がついたがすでに遅かった。

「ゆらはいっつも日向に目がいくんだよ」
「え?そう?」
「そうだよ。前回も前々回も日向のことばっかり誉めてるし」
「本当に?」
「しかもそれを俺の前で言うし」

ぷいっと反対側を向いて拗ねモードの恭介。

「ごめんごめん。そんなつもりなかった」
「日向が好きなら日向と付き合えばいいじゃん。あいつ、女いないっぽいし」
「もぉ、ごめんって謝ってるじゃん」
「ふ―――んだ」
「もぉ、恭介しつこいよ。謝ってるじゃん」
「今日お泊りしてくれたら許してやる」

恭介はくるっとこっちを向いた。

「いやぁ……無理だよ。明日仕事だし」
「こっちからの方が図書館近いじゃん」
「お泊りセット持ってきてないもん」
「殆どここに置いてるじゃん」
「この間持って帰ったから着替えがない」
「必要ないし」
「…………」
「はい。決まり。お風呂溜めてこよ――っと」

恭介のご機嫌はすっかり治り、鼻歌交じりでバスルームへと向かって行った。