ONE DAY Episode.01 二人の休日

「なぁ、ゆら」
「なに?」
「超ひまなんですけど…………」

久しぶりの休日。
恭介の休みに合わせて私も有休を取り、恭介の部屋でまったり二人で過ごす。
ソファで三角座りしながら持ってきた小説を読んでいたら、今まで寝起きでぼーっとしていた恭介のエンジンが動き出したのか、私の横に座ると話しかけてきた。

「私はさっきまで暇だったんだけど」
「なぁ、なんで二人でいるのに本とか持ってくるわけ?俺より本が好きなの?」

恭介はTVのリモコンを手に取るとボタンを押して電源を入れた。それから頭をピタッと私の肩に乗せてチャンネルを変えていく。

「本は裏切らないしね」
「俺も裏切らないけど」
「……」
「…………どっか遊び行こうよ。海とか。海とか。海とか」
「イヤ。日焼けするし」
「日傘持って行けばいいじゃん」
「つーか、無理でしょ」
「じゃあ――……」

恭介は体勢を戻すと、私が読んでいた小説をひょいっと取りあげた。

「とりあえず、キスしようか」

そう言って顔を近づけてくる恭介の顔を手で押さえて阻止した。

「……おい」

私が小さく笑うと、恭介は私の両手を掴み顔からおろすと、チュッと軽くキスをした。

「また勝手にキスするし」
「ええ――?!10年も付き合ってんのにキスすんのに許可いんのかよ?」
「知らなかったの?ちゃんとこれから許可取ってよね」
「ええ――?マジで?」

ガクッと首を落としている恭介を横目に、私はソファから立ち上がった。

「今からお昼の餃子作るけど、恭介も一緒に作る?」
「おう」

子犬のように私の後ろからついてくる恭介。

「ゆら」
「なに?」
「キスしていいですか?」
「ダメです」
「ええ―――?!なんだよそれ」
「ほら、餃子作るよ」

口をとがらせて怒っている恭介が面白かった……もとい、可愛かったののはいうまでもない。