二人の大切なもの Omake(2)

娘の名前は、朝比奈のあ。
お腹の中にいた時から恭介が勝手に“あーちゃん”と呼んでいて、「生まれてからも“あーちゃん”って呼びたい」と言ったのと、「女の子なら、ゆらみたいに平仮名がいい」という願望で、“あーちゃん”と呼べる名前を考えていくつか候補が上がった中から最終的に恭介が選んで『のあ』になった。
息子の名前は、朝比奈千紘(ちひろ)。
まさかの年子で生まれた我が家の第二子である。この第二子妊娠が発覚した時にはさすがの恭介も、「ごめんなさい……」と謝っていた。
お腹の中にいた時から恭介がまた勝手に“ちーちゃん”と呼んでいて、のあ同様に「ちーちゃんと呼びたい」と言っていたが男の子だったので、結局“ちーちゃん”とは呼んではないが、名残りを残して『千紘』という名前になった。

「ねぇ、恭介」
「ん――?」
「今更なんだけどさ……どうして、のあがお腹の中にいた時“あーちゃん”って呼んでたの?」
「“赤ちゃん”の“あーちゃん”だから」
「嘘でしょ……」
「こんなことに嘘ついてどうすんの」
「じゃあ、千紘の“ちーちゃん”は?」
「“チビ”の“ちーちゃん”」

白い犬を見て『シロ』と名付けるぐらい、それは簡単なことだった。
恭介らしいと言えば、らしい。

「こうやってさぁ……二人の寝顔見てるとすげぇ癒されない?」
「そうだね……」

ベビーベットの上で眠っている千紘とその隣にある私たちのベットの上で眠っているのあを、恭介は目を細めて優しい顔をして、愛おしそうに二人を見つめている。
恭介のその顔を見ていると、隣にいる私は幸せな気分になる。
恭介の手をそっと握ったら恭介は握り返してくれた。

「ゆらと結婚出来て、子どもまで生まれて……高校生の時に描いていた夢が叶って今すげぇ幸せ」
「泣かないでね」
「お父さんだから泣かねぇよ」

と、言っていた恭介だけど、隣で涙ぐんでいるのがわかり私は微笑む。

「恭介。今日も幸せありがとう」
「こちらこそ。ありがとう」

二人で顔を見合わせて笑顔になった後、キスをした。


HAPPY END
(2014/6/14)


この二人のことはもう書かないって公言したのに、書いちゃった(笑)
それは突然。ゆらと恭介を書かなきゃって思ったんです。それで取り憑かれたように1週間ぐらいで書きあげました。元々次書くなら前回の番外後かなぁ…と漠然と考えていたのもあったので、それにしました。
彼らが現在何歳なのかわからない(笑)たぶん…33か34ぐらいかなぁ…と思ってるんだけど(汗)こういうところが私の大雑把な性格が出るよね。
年を重ねて恭介は少し大人な男性になったかなぁ…と思います。「ゆら、大好き――!」ってのを前面には押し出さなくなっていたでしょ(笑)まぁ、相変わらずゆら大好きっ子ですがね(笑)
結婚してゆらは少し難しくなってきたかなぁ……と思ってます。恭介が言ったように小難しいことを色々考えていそうなイメージ(笑)たぶん、私が思っている以上にゆらは繊細なのかもしれない。

とりあえず。ゆらと恭介はここまでで終了します。
また書きたくなったら書くかもしれないけど(笑)、ここから先は恋愛というよりも家族の話になっちゃいそうなので終了します。
たくさんの方々に応援して頂き、大変光栄に思っております。
有難うございました。